《報告》とうほくNPOフォーラムin仙台2022 分科会 B

開催報告

分科会 B

組織運営の課題を斬る!組織基盤と財源確保

分科会Bでは、組織の「財源」にフォーカスし、組織の人材育成やドナーとの関係性また外部支援の活用などの話も交えながら、財源の獲得方法や獲得に向けたプロセスなどを考えた。

まず、自己紹介の中で太齋さんは、自団体の活動を「復興支援期」「地域資源へ」「地域づくりへ」の3層のフェーズに分け、ワークショップを行いながら団体ミッションを確定し、財源は「事業収入」のみへ注力してきたと述べた。

一方、岡本さんは、自団体の財源の80%が「寄付金」であり「事業収入」はゼロ、と両者のマネジメントの違いが伺えた。

岡本さんは、行動する、信頼を高める、相手が組みたいと思える、といった3点の行動指針をプロの経営者として重要視している。受益者や協力者との意識や共感性の最大化を目指しながら、自身の周辺から徐々に活動の規模を拡大していったと述べた。

適度な予算規模はあるか?という話題には、岡本さんは、自組織の事業の管理コストと照らし合わせ、適切に事業を遂行するにあたり67000万円が適当と考えている。

また、中長期的な財源の獲得に向けて、設定した目標額を確実に調達できる体制づくりや組織力の向上に努めており、中でも、ブランディングや発信の方法はスタッフ間で磨き続けることで、より主体性を持った生き生きとした人材の育成につながると述べた。

一方、太齋さんは、社会的な責任を含め中長期的に活動量に無理が無いと判断し、4000万円が適度だとした。また、活動にはどんな工夫をしているのかという問いについては、自分は後方支援に徹し、主役は子供とスタッフ。彼らが輝ける舞台を目指し活動しているため、財源の獲得を目的とせず個々の「やりたい」という主体性を重んじており、意見を持ち寄った上で総意による決定と、それに応じた財源の獲得を行っていると述べた。

 

人材育成に気をつけているポイント

太齋さんは、自身は代表に向かない適性だと感じているが、一人ひとりの「やりたい」の形を共に目指すことで結果的に人が育っていくことに気づき、ワークショップを通じてスタッフがそれぞれの特性をつなぎ外部人材を活用していくことに力を入れている。

岡本さんは、組織として万能であることが大切であるとし、マーケティングやブランディング、ステークホルダとのコミュニケーションの分析のほか、組織内においては多様な分析ツール(例えばリーン・マネジメントなど)によって、人材の特性や活動の適性を判断している。また、地域の中間支援組織が実施している経営にまつわる研修も有効だと述べた。

ステークホルダとの関係性において意識していることは

太齋さんは、自己満足に陥らず受益者や利害関係者に理解してもらえるよう気を付けており、岡本さんは利害関係者との信頼関係を作るための配慮を大切にしているとのこと。

最後に参加者の皆様にひとこと

太齋さんは、「自分を磨き続ける」とし、岡本さんは、「この分科会を通して心に響いたところを現場で実践してください」とまとめた。

 

 

 

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