《報告》とうほくNPOフォーラムin仙台2022 クロージングセッション

開催報告

クロージングセッション

分科会報告とフォーラム全体の振り返り

《登壇者》
吹田 博史 氏(武田薬品工業株式会社グローバルコーポレートアフェアーズグローバルCSR&パートナーシップストラテジージャパンCSRヘッド)
田尻 佳史(認定特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事)

《報告者》
分科会Aコーディネーター 成宮 崇史
分科会Bコーディネーター 木下 雄太
分科会Cコーディネーター 高田 篤

内容
クロージングでは、吹田氏のコメントを田尻が聞く形で全体を振り返りました。
吹田氏は、被災地に寄り添うCSR活動を12年継続した自社の取り組みから、災害に備える「タケダケアプログラム」を構築し世界に発信している旨に触れ、日常から多様な団体による支援のネットワークを構築し、普段の生活や活動に取り入れることが災害への備えにつながると話されました。

また、クロージングでは各分科会の報告を受け、吹田氏が各分科会のテーマに沿ってコメントバックをしました。(以下はコメントより抜粋)

分科会Aへのコメントバック
企業も「人材(人財)」が大切なことは同じである。自社では、従業員=“ひと”を引き付けられる組織を意識しているため、従業員へは賃金によるインセンティヴではなく、NPOのように「したいことが出来る」組織であるインセンティヴを発信している。

分科会Bへのコメントバック
企業がNPOを支援する目的とNPOが企業に求めるニーズがマッチするか否かが重要である。また、インパクトのあるストーリーとして発信しないとステークホルダーに共感が得られない。

分科会Cへのコメントバック
企業も従業員が協力し共通の目的を目指すのはNPOと変わらないため、自社は従業員の人材育成に注力している。東北のNPOはここ12年間で協力や連携にまつわるセミナーや研修等を無料で受けられる機会が多く、組織運営や協働への考え方や手法等が身についているはずなので、今後はその能力を発揮して欲しい。

田尻からは、ここ10年でNPOが企業的な形態を取り収益を上げることへシフトし始めている最中、企業はNPO的な取り組みが進んでおり「持続可能」というキーワードに株主の共感が集まっている。NPOと企業の考えが融合し社会全体に変革が起きる中、NPOが取り残されているかもしれないという危惧を感じている、と話し、一方ではオープニングの基調講演を振り返り、黒部市では地縁組織や自治組織が強く住民参加が発達しているため、NPO組織等の新しいものが入る余地はなかったが、既存の組織が高齢化に伴い過渡期を迎えた昨今では、若年層の取り込みが重要な課題だとの説明がありました。

両者は、各分科会の共通点は「目的・共感・伝え方・参加・協力・マネジメント」であることを指摘。その上で吹田氏は、NPOの次のステップは、共通のテーマや課題に向き合う複数の団体と多様なステークホルダーが連携して解決を目指せるようになると活動がより素晴らしいものになる、と期待のコメントを挙げた。田尻は、NPOが目標に向かって少しずつ大きくなり、台風の目のように渦を巻き多様なセクターを取り込んで一緒に進む姿が望ましく、それが地域の大きな円として成長して行くことが、今回のテーマ「地域を元気にする方法」につながると統括しました。

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